20160605

COPY ETCHING JP

Copy-Etching with Hot iron transfer on copper plate or zink plate
by Yuriko Miyoshi

<時間がなくてまだ整理が出来ていないメモ状態なので、現段階では読むにとどめて参考程度にして頂ければ幸いです。質問はいつでも受け付けます。三好百合子>

転写技法:コピーエッチング2

写真やテキスト、描画イメージを白黒コピーして、それを版にアイロンで転写させる、簡単でおもしろい技法です。 アルコールと白黒コピーのトナーの不思議な作用と加熱によって、版上へのイメージ転写が可能となります。 版に写真製版的なイメージ、特別な表情を作り出してくれます。 イメージを作る時にミラー・イメージにすることなく、それも便利です。


コピーエッチング2はコピーエッチング1を改良して生まれた方法です。

といってもこの転写技法は、名刺を作ったりロゴのスタンプを作ったり、機会のチップ作成など、すでに巷で普及していたやり方で、ネットでいろいろ調べ、銅版、亜鉛板のコピーエッチングとして応用できたという訳です。いくつかの注意が必要ですが、解ればシンプルで簡単に利用できます。コピーイメージを用意する時に準備にミラー・イメージにする必要がないのも便利です。

コピーエッチング1:武蔵野美術大学大学院時代に学んだフォトエッチング、いろいろな設備や薬品がないと出来ません。フォトグラヴュールをやりたいわけでもなく、フォトポリマー技法でもない。東京造形大学時代に学んだリトグラフのコピー転写技法、それが現在使っている表現手段の始まりと言えるかも知れません。銅版への転写はコピーを使ってインクをもって、版に転写したあとにはピンクのヒルマー液を塗って、インク部分を取り除く、という面倒な工程でした。ピンクの液、これも簡単には手に入らないし体に悪いので、これも駄目。それで考えたのがコピー転写の方法でインクを版に転写後、そのまま防食剤として乾くのを待ち、そのまま腐蝕するようになりました。白黒コピー機の利点をフル活用、コンビニはいつでもオープンしているのでこれも大いに助かりました。

長い間このコピーエッチング1で作品を作って来ました。

コピーエッチング2:によって、製版の時間がより短縮することができ、細かい文字テキストなどを確実に転写可能なコピーエッチング2で作品をいくつか作り始めています。以前は製版プロセスの中で、あーでもない、こーでもないと時間を費やしながら作品を仕上げていましたが、製版に入る前の段階、アイデア作業の時間を費やすようになりました。

技法としては既に誰かがある手段で実施しているものですが、銅版画あるいは亜鉛版に取り入れる方法としては、まだ発展途上の技法なので、その詳細は材料、薬品についても専門的にチェックしてもらう予定ですので、ちゃんとしたテキストはもうちょっと時間がかかりそうです。しかしながら実際そんな難しい技法ではないので、

とりあえずメモを用意いたしましたので、これを参考にしていただければと思います。

どんな技法なのか、よりアイデアを得るための参考ページ(英語)。

http://hanga-land.blogspot.nl/2013/11/copy-etching.html
http://hanga-land.blogspot.nl/2015/10/copy-etching-2.html


<ここからはアントワープの印刷博物館でのワークショップテキストをもとに>
1) イメージ=版のサイズを決める。
2) デザイン:さまざまな要素を一つのイメージへとしてどう構成するか。

Design plan 1:
◯ WORKSHOPを利用する。
◯ 地図やテキスト、描画などの要素をそれぞれ拡大縮小コピーさせる。
◯ コピーを必要な大きさに切り、糊で一枚の紙に貼ってイメージを作っていく。
Design plan 2:
◯ コンピューター等を使って自分のやりやすい手段でイメージを合成、作成する。 

3) 基本イメージとして既存の地図の利用
Map plan 1: ワークショップ用に準備された地図や写真画像を利用。
Map plan 2: 自分自身で探して来たイメージ、画像の利用。(自分の住んでいる街の地図や都市図のコピーなどいろいろあり)

4) イメージ材料:テキスト
Text plan 1: ワークショップ用に準備された文字画像の利用
Text plan 2: 自分で用意。
◯ パソコンによる書体、サイズ、太さの調整。
◯ 雑誌や新聞など既に印刷された文字、手書き文字も利用可能。

5) イメージ材料:描画
Drawing plan 1: 黒ボールペン等で描く、あるいはイメージ画像に描き加える。
Drawing plan 2: 転写の後、ニードル等で描き加えたり、削り取る、など。

IMPORTANT!!
最終的なデザイン・イメージは黒白はっきりとした線や点、コントラストがはっきししている必要がある。中間トーンではだめであるが、コントラストが強く、細かい線、点の集積となっていればOK。原画は写真光沢紙に黒トナーによるコピー(レーザープリンター)を使用。インクジェットによるプリンターはこの技法は使えない。


<ここからは実演の簡単な流れ>
<1> 用意できた1枚のイメージをレーザープリンターでコピーする。コピー用紙は写真用光沢紙(できれば薄手の紙)を使う。
<2> コピー紙(両面から)、版表面どちらにもアルコールを(専用の刷毛で)塗布する。
<3> 転写する位置を確認して、紙を版に重ね、裏からアイロンで熱する。動かないように気をつけて一辺をしっかり熱し段階的に固定されているか確認しながらアイロンを移動させしっかり熱を加える。(数十秒、熱の具合や光沢紙の種類、熱さによって短い時間でスムーズにそれほど長い時間をかけずに転写が可能である。初めに一辺をしっかり熱する事で紙が固定され、転写ぐあいが不足の場合はさらに熱し固定させる。熱不足で旨く転写されない時は再び筆でトナー面にアルコールをさっと塗布し熱するとうまく行く。これを何度も繰り返せば大丈夫だが、紙が動いてしまっては駄目なので、慌てないで、ゆっくりしっかり熱する事。
<4> 転写を確認し紙をはずし、版の裏止めをするのを忘れずに、それから腐蝕する。
硫酸銅100 gram / 1 liter water (じっかりした線、広い部分)
硫酸銅50 gram / 1 liter wate(細かい線描、ソフトグランド、荒いアクアチント)
硫酸銅25 gram / 1 liter water(細かく奇麗なアクアチント)

b-galleryでは硫酸銅50g / 水1リットルぐらいで腐蝕。 それほど細かくない場合やディープエッチングや凹凸摺の場合は100g/ 水1リットル、もう少し濃くても良い。腐蝕もあっと言う間に出来る。
<5> (アクアチントなどを加えるなどしてから)版完成後、印刷するときは除光液でトナー部分を取り去る。
<6> 印刷

===============================================================
デモンストレーションとレクチャー 内容(b-galleryでは短い時間だったので省略)

□ コピーエッチング、フォトエッチング、フォトグラヴュール、フォトポリマーの違い
□ 紙
□ インク、カラーインク
□ 版:亜鉛版、銅版、石版(リトグラフ)、木版、紙版
□ 腐蝕液:硫酸銅、塩化第二鉄、硝酸
□ 印刷方法:凸版刷、凹版刷
□ 印刷機:レタープレス、エッチングプレス、リトプレス、バレン
===============================================================
WORKSHOP SPECIAL EQUIPMENTワークショップに必要なもの(* なくても大丈夫なものも含まれる)

◯ コピー機あるいはレーザープリンター:拡大縮小のアレンジ可能
◯ Canonファミコピア(黒トナーカートリッジ):厚手薄手の紙のプリント可。インク濃度調整可。拡大縮小不可。
◯ 腐蝕薬品用バット1つ(腐蝕直後に薬品がしたたる版をさっと移動、洗浄のための水をはったバットを用意して並べておくと便利)
◯ 硫酸銅II
◯ キッチン用塩(塩を少しづつ加えると、速度は速くなります。硫酸銅腐蝕液の青い色は使っているとだんだん色が薄くなって来て、腐蝕が遅くなります。一度塩を入れてしまうと、保存には適しなくなりますので、腐蝕液が疲れて来たら、、というときに。
◯ 筆あるいはフェザー(鳥の羽)
◯ アイロン(コードレスは不向き!)
◯ 板(アイロン台として)
◯ キッチンダスター/キッチンペーパー(この上に版を置いてアルコールを塗布するなど。アイロンで転写した後は版が非常に熱くなっているので要注意。版を置いたまま移動させ、さめるまで待つ。)
◯アルコール用刷毛ぶらし
◯ 燃料用アルコール(エタノール)
◯ 版裏止め用粘着ビニールシール・テープなど:版の熱が冷めてから、腐蝕をする前に防蝕のため裏に貼る。それから腐蝕。腐蝕の後、印刷するのにはがす必要は特になし。
◯ サラダオイル(植物油) インク、手の汚れなどお掃除用
◯ ベビーおしりふきウエットティッシュ(お掃除用に効果的で便利)
◯ キッチンペーパー
◯ ビニール製手袋(ゴム製は不可!)
◯ ビニール袋とかビニールシート(印刷用紙を示すため)
◯ プラスチックシート/PVC(ポリ塩化ビニル)フィルムなど(印刷時の見当のため、印刷機のヘッドに置き、その下に版、紙サイズを描いた紙を挟んだり、マジックで直接印をつける。)
◯ 耐水性紙ヤスリ no.1500 / 1200 / 1000(研磨用)作品に調子をつけたい場合などはもっと荒い番号を使う。
◯ 紙マット:斜めにカットしてあるも、チップ。インク詰め、色分け等に便利。数回使ったあと捨てる。
◯ 古い電話帳(あるとなにかと便利)
◯ 古新聞
◯ ゴムローラー(インク用、凸版印刷用)
◯ ヤマト糊 * The standard of starch glue, is made from environment-friendly natural materials.
◯ 油性フエルトペン(日本語「マジックインキ」、海外ではこの言葉は通じず。)
◯ 写真印刷用光沢紙 (HEMA170gがいまのところベスト)

◯ 除光液(転写し腐蝕した後にトナー部分を除去するため。アセトン入。そうじゃないものでもたぶん大丈夫。未確認) その他、紙ヤスリ1500番等でとりさる。(*シンナーが早く確実ではあるけれど。。。臭いので使用するときは屋外ですばやく。)
◯ エッチングインク
◯ エッチング用紙: Simili Japon (van Gelder) など
◯ ワークショップの後、不使用の紙や印刷した湿っている紙を挟むためのもの。厚紙、黄ボール紙
◯ 薄紙
◯ポリスチレン系?カラーインクスプレー(スプレーアクアチント用)

その他通常版画工房にある設備、エッチングプレス、フエルト、エプロン、軍手、ウエスなど。
===============================================================
===============================================================
その他:重要なメモ

藤倉応用化工株式会社

http://www.fok.jp/index.html

日本での薬品購入はなにかと便利でここを利用していました。塩化第二鉄は固形にて宅急便で配送してもらっていましたし、今ではそんなに使わないですが、リグロインも一斗缶で発送してもらったことがありました。瓶でもちろん売っていて、画材屋より安いはずです。営業本部、お店は川口にあって、リグロイン等の溶剤から容器、マスキングテープとかインクへら、顔料、インクなどいろいろあって安くて楽しいお店です。

<亜鉛板用腐蝕液作成について>

普段は銅版を塩化第二鉄で腐蝕していますが、腐蝕に時間がかかるのと換気設備のないところでの作業は避けなければなりません。また茶色く液の中が見えず、飛び跳ねたりした茶色の汚れはが落ちにくいので、ワークショップやデモンストレーションでは亜鉛版を使い、硫酸銅で腐蝕します。(ヨーロッパでは銅板が亜鉛板よりはるかに高価なので、亜鉛版使用は一般的です。画材屋で腐蝕材の硫酸銅も簡単に手に入りますし、室内利用としての安全な腐食剤としても一般的に利用されています。)

硫酸銅(II)五水和物 試薬特級(和光純薬工業(株)) 500g=2100円x1.08=2268円? ぐたいだったと思う。

領収書や安全データシートを日本に置いて来てしまったので、だいたいで必要な情報を書き出しました。

<安全データシート(あんぜんデータシート、英: Safety Data Sheet、略称 SDS)とは、有害性のおそれがある化学物質を含む製品を他の事業者に譲渡又は、提供する際に、対象化学物質等の性状や取り扱いに関する情報を提供するための文書。>

硫酸銅(Ⅱ)には「無水塩
CuSO4
」と「五水和物
CuSO4・5H2O
」があり、五水和物の方は、水分子を含む結晶。

無水塩はその名のとおり、水分子を含まないものです。
無水塩は五水和物を加熱してやれば生成。
色は、五水和物は綺麗な青色の結晶で、無水物は白い粉末。青色の方を使います。成分的には結局同じだけれど、白い粉末の方が多分高価。青色の結晶を水で溶かすときははねたりしないように注意。もちろんビニール手袋をかならずして行ってください。この腐蝕液(硫酸銅水溶液)は揮発性のものではなく、またにおいも無く、部屋で安心して腐蝕が出来ますが、
あくまで毒薬なので注意はもちろん必要。


化学記号を見るとわかるように、銅が含まれているので、亜鉛版を入れると腐蝕速度は速く、すぐに腐蝕がはじまりまり、茶色の沈殿物(sedimentセディメント)がどんどんでます。ほうっておくと、特に細かい所の腐蝕を邪魔するので、鳥の羽や筆でつねに版面をそっとなでるようにとりのぞきます。腐蝕具合を見るときは、横に置いた水用バットにいれて数分で終わりです。

残念ながら日本では購入には判子とか必要で、宅急便配送は不可でしたので電話で予約して届いたのを確認してからとりに行きました。

<変成アルコール>

薬局やスーパーで売っているもの。コーヒーサイフォン用アルコールランプ用の燃料用、あるいは額のガラス表面を拭く時にも使えるもの。アクアチントの松やにのふきとり作業に用いる溶剤でメーカー問わず。安物?で十分です。

その他 新日本造形のネットオーダーを必要に応じて利用。https://www.zowhow.com
亜鉛版 片面研磨仕上げ・プレートマーク加工済 100 x 125 x 1 mm = 1177円
銅版 片面研磨仕上げ・プレートマーク加工済 90 x 120 x 1 mm = 1020円
カッティングシート(版裏貼用)(文房堂に45x50cmのサイズで売ってました。ご近所のホームセンターとかで見つける事ができれば良いですが、イトー屋ではもうカッティングシートの取扱はしてないと言われました。)